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コラム:vol.8 間取りでも素材でもない、家を左右するもう一つの要素
空間活用と空間リテラシー
突然ですが、素敵なカフェと評判のお店に行き、「やっぱり素敵!」と感じたり「インテリアや味は好みなんだけど、何故か落ち着かない…」と感じた経験は有りませんか?
同時に、きれいに整っているはずなのになぜか長く居たくならない家。反対に、特別なデザインでもないのにふっと肩の力が抜ける家もある。
インテリアコーディネーターとして30年以上、新築からリフォームまで数多くの現場に立ってきましたが、ずっと説明できない「差」を感じ続けてきました。
素材も、金額も、条件は、ほぼ同じ。トレンディーだと取り入れたクロスの色目、間取り、設備。それなのに、完成し住む方の息を吹き込むと、空間から受ける印象はまるで変わってくる。その違和感を「好み」や「感覚の問題」で片づけず、現場で一つひとつ確かめてきた先に、私なりの答えが見えてきました。
家は、使うための箱ではなく、暮らす人の状態を映し出す場所だと。

私はこの“空間創りを読み取る力”を、空間リテラシーと呼んでいます。
空間リテラシーとは、間取りやデザインを見る力だけではなく、その空間で“人がどう感じ、どう過ごしていくか”を読み取る感覚のこと。これからの自分に合った住まいを選び、育てていくためのひとつの視点です。
同じ広さ、同じ素材でも、なぜか落ち着く家と、そうでない家。それは、使い勝手や見た目だけでは説明できない、暮らす人と空間との相性が関係しているから。家を整えることは、暮らし方や生き方を見直すことでもあります。

次回は、「片付けても晴れない理由」について、現場で見てきた実例を交えながらお話しします。収納や整理整頓だけでは解決しない違和感。その正体を、空間の視点から紐解いていきます。
※リテラシー:特定の分野に関する知識や、その知識を正しく理解・活用する、能力全般を意味(Google)
